2011年3月3日木曜日

柚木佑美のアクティングワークショップについて

柚木佑美は1995年、キャリー・ジベッツ先生のサンフォード・マイズナーテクニックによるアクティングワークショップを受講し深い感銘を受け、1999年からワークショップを行ってきました。


その特徴 

サンフォード・マイズナーテクニックは、その感情表現とコミュニケーションの訓練に大きな特徴があると思います。また、そのことをどう台本に結びつけるかが、とても丁寧に論理的に組み立てられています。
日本の今までの演技訓練は、日本古来の演劇、歌舞伎の影響から外見の形から勉強するものでした。まず台本を読み、台本を読みとり (劇の中の状況を理解し)やってみる。体験的に学ばせるのです。台本の内容で解読できないことのに関しては演出家が教えることが出来ます。しかしそれ以外 は、ほとんど「うまい俳優の演技を見る=芸を盗む」ことしか、感情表現の訓練の方法がなかったのが現実でした。
演技は価値観の多様なあいまいなものです。 そのあいまいさゆえに演じる側も、演出側もコミュニケーションに苦しんできました。 そして、多くの演出家たちが独自の方法を開発したり、個人的に相手を理解する(仲良くなる)ことによってその溝を埋めようとしたりしてきました。

このサン フォード・マイズナーシステムは、スタニスラフスキーシステムをベースにリアルな感情を表現させるもっともシステマティックなやり方です。「感情」という あいまいな世界を具体的に扱うことを可能にしたのです。
感情のエクササイズを使って、自分の感情に気づき、観察し、どうやったらその感情をだせるかにトラ イします。そうすると、まるで水泳の練習か何かのように具体的に、徐々に感情を自在に出したり押さえたりすることが出来るようになるのです。このテクニッ クにそって訓練することによって、自分の真実の感情で役を生きることが手にはいります。つまり自分自身の個性を役に生かす=他の人の真似ではない個性的な 演技が可能になるのです。

そして、相手役とのコミュニュケーションがとれるようになる・・・と言っても、個人的に相手の俳優と仲良くなることとはワケが違います。 リピートエクササイズを練習することによって、演技する上で相手役とコミュニュケーションがとれるようになっていきます。 「相手とセリフのキャッチボールをする」と言われる部分です。 

基礎訓練を行った後、キャラクターを作ることを練習し、台本を扱っていきます。その結果、基礎コースで身に付けた「相手とセリフのキャッチボールをする」、役の人物としてそこに存在することが可能になると信じています。

人はひとりひとり違います。誰一人として同じ人はいません。だから「個性」なのです。本来、ひとりひとり練習方法が違って当然です。 このワークショップでは、サンフォード・マイズナーシステムにそって、その人その人の「うまくいく方法」を見つけだしていきます。 だからこそ、他の人では変わることの出来ないその人の演技ができるのです。

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おためし